年齢ごとに違った強みがある介護の仕事

介護職は一般的には力仕事であることが知られています。施設内をあちこち走り回るためスタミナや足腰の強さを求められますし、利用者をベッドから移動させたり様々な介助にはそこそこの腕力も求められます。もちろん、筋骨隆々に鍛えている人でなければ働けないというほどでもありませんが、普段まったく体を動かさず、運動も苦手だという方には向かないでしょう。この体力面などから、比較的向いていると言われるのは若い年齢層です。やはりまだ筋力も成長しやすく、体力やスタミナもあるので利用者を持ち上げたり支えたりする際には、その身体能力が大いに役に立つことでしょう。しかし、高齢者の感じる「体の衰える辛さ」は経験しようもないので共感しづらく、心理的な共感でケアする方法を苦手としています。

翻って、今介護職員に最も多い年齢層として知られる40代50代は、体が動かしづらくなったり不調が出てくることを実際に体験しているので、高齢者が辛い気持ちや、痛くなりやすい場所などに気づきやすい技術面・共感面での強みがあります。体力こそ若年層に劣ることも多いですが、問題の起きやすいポイントや、求められることを先に予想して対策を打ったり、先んじて対応することができるので要領よく動くことができます。もちろん、この知見を若年層の職員と共有できれば、現場の作業効率は大幅に上がることでしょう。介護職の現場はどの年齢層でも体力や経験など、年齢ごとの強みを上手く活かしながら活躍できる職場と言えます。